住宅の室内ドアの種類には開閉方法が違う「引き戸」「開き戸」があります。
この「引き戸」「開き戸」を注文住宅では施主さんが自由に選ぶことができます。
EIDAI(永大産業)さんの「スキスムS」の室内ドアが標準仕様
この「スキスムS」の引き戸・開き戸がわが家の室内ドアとして設置されています。
おそらく打ち合わせで室内ドアを選ぶときは「デザイン・色」を気にして選ぶ方が多いと思います。
僕達も同じで好きな色などを選びましたが、住宅会社さんとの打ち合わせで
を気にしていませんでした。
もし、機能面・操作性を理解しておけば、入居してからしか分からない住宅の快適性の後悔を減らせるかも知れません。
和太家では実際に入居してから分かった室内ドアについての後悔ポイントもあるため、これから住宅の打ち合わせをされる方の参考にしてもらえればと思います。
今回の記事では、わが家に設置されている”スキスムS”の機能面・操作性から「引き戸」・「開き戸」の違いを紹介します。
EIDAI「スキスムS」の引き戸(上吊り)・開き戸の違いは?
では、紹介するEIDAI(永大産業)さんの「スキスムS」の引き戸・開き戸の違いは以下になります。
ここの項目でカンタンに引き戸・開き戸について説明します。
レール(溝)をスライドさせて開け閉めするタイプの戸
そして、和太家の引き戸は最近話題の下にレール(溝)がない上吊りタイプで、引き戸のなかでも「吊り戸」という種類です。
この上吊りタイプの引き戸の特徴は
といった点があります。
押したり引いたりして開け閉めするタイプの戸
開き戸の特徴は
といった点があります。
ちなみにわが家の新築住宅の室内ドアはほとんどが引き戸です。
引き戸を多く選んだ理由は住んでいた賃貸アパートの経験から来ています。
前に住んでいた賃貸アパートでは開き戸が多く、
ことがあったので、新築住宅ではそのようなトラブルを初めから回避するために”引き戸”をメインに設置をお願いしました。
なので冒頭でも紹介しましたが、室内ドアを機能面・操作性などから考えての設置はしていません。
では、それぞれの違いを解説すると共に特徴も同時に紹介していきます。
違い① ドア枠の形状・スペース
引き戸・開き戸の大きな違いは開閉の仕方ですが、その開閉の仕方が違うために
に違いがあります。
それらについて画像付きで解説します。
引き戸の場合【ドア枠の形状・スペース】
引き戸を設置すると戸を開閉させるため、戸と同じ大きさのスペースが壁に必要です。
この袖壁が必要であるため、以下のデメリットがあります。
戸がスライドするため有効活用できる壁のスペースを減らしてしまいます。
そして、冒頭でもお話したわが家の室内ドアでの後悔ポイントはこの引き戸の袖壁が必要なために起きた後悔です。
その後悔ポイントについては「我が家の後悔ポイント」をまとめた記事の中に記載していますので詳しく知りたい方は参考にご覧ください。
▼小さいお家を建てる方は要注意!?洗面室・脱衣室を分けた扉の後悔ポイントの記事はこちら。
また、引き戸のドア枠については
画像のレール(溝)がないと戸はスライドすることができません。
レールに沿って戸が移動し、ドア枠にあるくぼみに納まるようになっています。
開き戸の場合【ドア枠の形状・スペース】
開き戸は戸を押したり引いたりして開くため、ドア枠の前にスペースが必要です。
引き戸の袖壁とは違い、壁でのスペースではなくドア枠の前に何もない空間が必要になります。
この開き戸の開閉方法でのデメリットは以下になります。
階段から転げ落ちた場合はほぼ大けがです。
わが家にも小さい子どもがいますが、リビングから近いトイレのドアは開き戸なので開ける時は注意しています。
2階にトイレを設置する家庭も多いと思いますので、小さいお子さんがいて開き戸を検討中の方は階段との位置関係も注意してください。
また、開き戸のドア枠については
この蝶番があるドア枠と戸の隙間もちょうど小さいお子さんの指が入るくらいのスペースになっていますので注意が必要です。
引き戸のドア枠は”くぼみ”がありましたが、開き戸の場合は出っ張りがあります。
この出っ張り部分の戸がある側にはパッキンのようなものが付いており、開閉の衝撃緩和や遮音性の向上に役立っているのかもしれません。
違い② 鍵の形・仕組み
引き戸・開き戸に設置されている
が違います。
それらについて画像付きで解説します。
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引き戸の場合【鍵の形・仕組み】
鍵の部分はくぼんでいて、回すと鍵が施錠します。
鍵を施錠すると赤い部分が表示されます。
施錠するとフックのような引っかかりが出てきて開かなくなる
フックのような金具がドア枠にある金具にひっかかることで施錠ができる仕組みになっています。
開き戸の場合【鍵の形・仕組み】
開き戸の鍵はつまみが出っ張っていて、回すと施錠します。
こちらも引き戸同様に鍵を施錠すると赤い部分が表示されます。
施錠するとドアハンドルが動かなくなり施錠される
開き戸の場合は、ドアノブが固定されて動かなくなる施錠の仕組みになっています。
違い③ 戸がゆっくり閉まる!?(引き戸)
扉は部屋を移動する時に開け閉めをする仕切りですが、
買い物で帰宅して荷物をいっぱい持っていて、思わず最後まで扉を閉めるのを忘れてしまった。
小さい子どもが勢いよく扉を閉めて危ない。
といった経験はありませんか?
「スキスムS」の引き戸には、これらのことがあっても
という便利な機能があります。
この便利な機能を「ファインモーション機構」と言います。
このファインモーション機構について次の項目で解説していきます。
スキスムSの便利機能「ファインモーション機構」
戸をゆっくり閉めたり、一定の距離から手を離しても最後まで閉めてくれる「ファインモーション機構」は戸の上部に付いている金具によって可能になっています。
戸の木の部分に隠れて見えないですが、この中に隠れています。
また、戸の上部の反対側(戸尻)にも戸の跳ね返りや衝撃音を和らげる簡易ブレーキ機構があります。
これはわが家だけかもしれませんが、簡易ブレーキ機構の場合は「ファインモーション機構」と同じ強さの勢いで戸を開けると、そのままドア枠に戸が当たってしまう時があります。
ファインモーション機構はどこで作動する?
実際にわが家に設置されている引き戸を使って、どこで閉めるとファインモーション機構が作動するか確かめてみました。
先に結果から発表しますと、
戸が閉まるドア枠から約5cm離れたところから作動する(*和太調べ)
ファインモーション機構が作動する時は戸の上部の金具が「カチッ!」という音がします。
けっこうな勢いで閉めた場合でも、ドア枠から5cmの箇所で戸が少し揺れて、その後ゆっくり閉まってくれました。
小さい子どもの力くらいだとファインモーション機構は有効で、5cmの幅があれば指も挟むことはないので安心ですね。
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違い④ 床に埋め込みタイプのドアストッパーがある(開き戸)
以前住んでいた賃貸アパートの開き戸には、戸の上部にL字型の金具が付いていました。
このL字型の金具を「公団戸当り」と言うそうです。
その「公団戸当り」が壁と戸のハンドルが当たらないようにストッパーとしての役割をしていましたが、
という、新築住宅を今後キレイに保ちたい場合には気になる金具です。
しかし、「スキスムS」の開き戸には、”公団戸当り”の代わりに床にドアストッパーの金具が埋め込まれています。
上の画像の状態で戸がドアストッパーに止められていてハンドルが壁に当たらず、壁や壁紙クロスを痛めることがありません。
しかし、この状態だと戸は動くので勝手に閉まったりします。
ドアストッパーで戸を止めた状態で、戸側にある金具の中心を押し込むと戸が固定されて動きません。
などに有効活用できるロック機能です。
違い⑤ 家の空気を換気するための隙間がある(開き戸)
開き戸は1cmくらいの幅の戸と床の隙間があります。
わが家の引き戸は上吊りタイプで床にレールがないため、少し浮いていて隙間があります。
それでも開き戸の隙間の方が幅は大きいです。
決して施工ミスではなく、そういう仕様なので安心してください。
家の中の空気を換気するための対策として施されている仕様
換気システムというのをご存じでしょうか?
窓を開けずに換気装置を使って強制的に空気の入れ替えができる仕組み
建築基準法で24時間、常に換気を行うことが義務図けられています。
なぜかというと、建材の接着材原料の中に含まれる化学物質に“ホルムアルデヒド”というものがあるのですが、この化学物質が原因で「シックハウス症候群」が問題になりました。
これらのことがあり、換気の重要性から換気システムが義務化になりました。
気密性が気になるところではありますが、実際に薬品を使っている僕からすると換気は納得です。
そして、換気システムにも種類があり、わが家では第三種換気が採用されています。
この第三種換気の場合、開き戸の戸と床との隙間は必ずと言っていいほど設けられています。
なので開き戸の戸と床の隙間については、私達の健康を守るために配慮された設計になっているため、必要な隙間なのです。
この隙間のために気密性がなくなり、住宅の室温が気になる方はいませんか?
開き戸が設置された”窓なしトイレ”などの夏の室温を各部屋で計測した結果をまとめた記事がありますので、良ければ参考にどうぞ。
▼第三種換気の夏のローコスト住宅の室温をまとめた記事はこちら。
【共通】トイレのドアにスモールライトがある
トイレ内の照明が点いているかどうかを確認できる小さくて丸い窓のようなものが戸の上部に付いています。
トイレの使用状況や照明の消し忘れのチェックができます。
ただし、採光部のあるデザインのドアにはスモールライトは付いてきません。
【まとめ】EIDAIの「スキスムS」の室内ドアは快適に生活を送れる機能面・操作性がいっぱい!
では、最後にこの記事で扱った内容をもう一度載せておきます。
「スキスムS」の室内ドアは、使用する僕達に向けて機能面・操作性が考えられています。
この記事を書いていて感じたのですが、ドア1つにもいろんな工夫がされていて、工夫されている箇所の画像がこんなに多く取れたことは予想外でした。
普段何気なく開け閉めする室内ドアですが、企業さんの技術が詰まっていることを感じてもらえると嬉しいです。
また、わが家はローコスト住宅ですが、この「スキスムS」の室内ドアのデザインも気に入っていますし、標準仕様で選べたことは本当に良かったです。
わが家は”木目調”のデザインを多く採用していて室内ドアはその1つです。
今回紹介した室内ドアの他にも、玄関ドア・壁紙クロス・タイルデッキなども木目調デザインのものを採用していますので気になる方は参考にどうぞ。
▼我が家のローコスト住宅で採用した木目調デザインの住宅設備・建具をまとめた記事はこちら。
この記事を最後までご覧いただきありがとうございました。
「和太の暮らし通信簿」ではその他、住宅に関すること・貯金をするテクニックについてまとめた記事が多数ありますのでゆっくり遊んで行ってください。
「室内ドアはデザインと機能面・操作性」
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