我々の生活に電気は欠かせませんよね。
必ず使用するため支出における固定費になるわけですが、近年は値上げでジワジワと家計を圧迫しています。
その電気を自分のお家で作ることができる太陽光発電システムを採用する家庭が多いです。
などのメリットがあり、住宅の屋根に太陽光パネルを設置します。
我が家も新築住宅の初めの打ち合わせで太陽光発電について聞かれました。
新築住宅で採用した屋根の種類も三角屋根である「切妻屋根」となりましたが、
太陽光発電の設置は“いらない”ということで、話を進め住宅は完成しました。
今回はわが家がなぜ、太陽光発電を新築住宅に設置しなかったのかについて解説します。
※ブログ主の主観がおおいに入っていますので、参考程度にどうぞ。
太陽光発電を設置しなかった理由と太陽光発電の普及率とは?
では、わが家が太陽光発電を設置しなかった理由は以下になります。
年々売電価格が落ちているという理由は、皆さん知っていそうな情報なので今回は省きます。
今回は
からわが家が太陽光発電を設置しなかった理由を紹介します。
そして住宅用太陽光発電(出力10kW未満)の普及率についてですが、太陽光発電協会(JPEA)のデータによると
普及率は9%(2019年時点)
また、住宅の種類別でみると新築注文住宅の太陽光発電の搭載率は約4割程度です。(2020年時点)
この約4割の太陽光発電の搭載率を2030年度には新築住宅で約6割を目指しているそうです。
太陽光発電を普及させようと考えている方々とは逆で設置をしなかったわが家の理由について、次の項目で解説していきます。
理由① 住宅費用が上がる=住宅ローン返済が上がる
太陽光発電を採用する場合、パネルや必要ならば家庭用蓄電池の費用が必要になります。
太陽光発電で日が当たる日中に発電した電気を、夜や停電時に使用できるように電気を貯めておける設備
設置費用は住宅を建てる時に住宅費用として予算に入れなければなりません。
その太陽光パネルや家庭用蓄電池の費用の相場はいくらかと言いますと
一般的な住宅用パネルの容量(3~5kW)で85~140万円
販売メーカーや容量で違いがあり、100~200万円くらい
太陽光パネル単体の費用だけでも約100万円くらいかかります。
夜にも太陽光発電の電気を使いたいのであれば、更に100万~200万円を追加する必要があります。
そして、これら費用分は住宅ローン返済に追加されるわけですが、
年収が低い場合、借入額が増えるということは住宅ローン審査のハードルが上がります。
住宅ローン審査を受けた時、僕自身の年収は300万円で
フルローンで金利が高い(希望額から100万円減額) or 頭金を入れて金利が下がる
ということを経験しています。
年収300万円の僕が頭金を入れることで公務員・大手企業社員並みの優遇金利を獲得した内容とは?
それに月々の住宅ローン返済額が上がることは家計の圧迫にもなります。
まだ賛否両論の意見がある太陽光発電を数百万円上乗せして住宅ローンを借りるのは確実性に欠けるのでわが家では採用しませんでした。
理由② 災害時の利用について
我々の住んでいる日本では
が頻繁に起こる国です。
停電で電力会社からの電気の供給がストップした場合、非常に太陽光発電は役立つ
復旧がいつになるか分かりませんし、電気がない生活は不安です。
太陽光発電はお家で電気供給ができるため、停電時には本当に大きな恩恵があります。
しかし、そんな恩恵があるにも関わらず太陽光発電を設置しなかった理由は以下です。
停電の可能性を考えた場合、数百万円を払って太陽光発電を設置するのは割高感があります。
僕自身の経験では2018年9月初めに発生した関西国際空港の連絡橋にタンカーが衝突し破壊された台風の1回のみ
この時は街の信号機が斜めになったり、向いている方向が変わっていたりと台風のすごさを体感しました。
しかし、停電したその日の夜には電気が復旧し元の生活に戻りました。
復旧に地域差はありましたが、基本的に電気はライフラインの中では復旧が早いです。
そして、住宅を購入された皆さんは購入と一緒に保険の見直しもされたのでは?
保険は基本起こる事象に対してお金が払えない場合に加入するものです。
入っている保険の症状・病気・条件にならなければお金が返ってきません。
家族や親族に同じ病気になった方がいる場合、保険は効果があると思いますが、、、
その病気にならないとお金が返ってこないという運的な要素が保険にはあります。
同じように太陽光発電を停電時に使えるという考えであれば、自分自身の過去一回だけの経験からではありますが、
数百万円もする太陽光発電の設置はもったいない
というのが僕のホンネです。
他のライフラインに比べ復旧が早い、電気の復旧に数か月もかかるのであれば被害があった地域は壊滅的なのでは?
おそらく避難をしなければいけない状況であるため、家に居ることが出来ないと予想しますので太陽光発電での電気の消費ができないのではないでしょうか?
これらの考えから、あまり経験がない停電のために太陽光発電を設置するという考えは保険と同じような気がしてせっかく見直した保険の意味が薄れてしまうので採用しませんでした。
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理由③ 日本の四季と環境
日本には「春・夏・秋・冬」の四季があり、
と1年を通して気温差がある国であり、太陽が当たる日照時間も季節で変わります。
この気温と日照時間によって、太陽光発電の要でもある太陽光パネルの効率が下がる可能性があります。
太陽光パネルの電力効率が良い時期は春(3~5月)
電気代が上がりやすい夏・冬に発電効率が落ちるというのが設置を避けた要因です。
その理由について次の項目で解説します。
太陽光パネルの発電効率が良い温度は?
最も発電効率が良い温度は25℃
夏場だと気温だけで30℃以上になるため確実には発電効率が落ちます。
この発電効率が良い25℃というのは太陽光パネルの表面温度のことなので、夏場の直射日光を受ける太陽光パネルの表面温度は最大で70℃近くになります。
25℃が最も良い発電効率として、25℃から1℃上がるごとに0.5%発電量が低下する
季節 | 発電量の損失 |
春・秋 (3~5月・9~11月) | 8~15% |
夏 (6~8月) | 11~20% |
冬 (12~2月) | 5~10% |
温度による発電量の損失が一番少ないのは冬の時期の5~10%です。
日照時間が長い季節は?
季節での日照時間の違いについて関係しているものに「夏至(げし)」と「冬至(とうじ)」があります。
日照時間の差はなんと約5時間の違いがある
約5時間は夏至と冬至での差ですが、それでも夏と冬では日照時間の差は大きいです。。
日照時間が長ければその分、電気を発電できるため太陽光発電には有利です。
これらの特徴をまとめると
夏場(温度での発電損失が大きい・日照時間が長い) ⇔ 冬場(温度での発電損失が少ない・日照時間が短い)
ということになり、安定していて太陽光発電ができる期間は春の3月~5月だけになります。
もちろん効率が落ちるだけで太陽光発電はできていますが、この効率の問題は
と考えられますので、太陽光発電の設置はまだ慌てなくても良いと思っています。
理由④ 太陽光パネル全体のうち1枚だけが光に当たらない状態でも効率が落ちる
太陽光発電は太陽光パネルに光が当たって電気を作る仕組みになっているため陰は大敵です。
より発電をしたいのであれば太陽の光は重要であるため、陰があると発電量が落ちてしまいます。
屋根一面に載せている一部の太陽光パネルが陰になった場合、どうなるんでしょうか?
陰になった部分の太陽光パネルの発電が行われないだけという考えになると思いますが、
太陽光パネル全体の発電効率が落ちてしまう
太陽光パネルは”セル”というものが何枚か並べられていて、電気の回路が直列に繋がっています。
直列の場合、1つのセルに陰ができて発電しなくなると全てのセルが影響を受けます。
※一つのセルの大きさは15cm×15cmくらいの大きさ
15cmくらいの大きさだと陰ができるとすぐに発電に影響が出そうな気がします。
また、わが家の場合、分譲地の区画で一番初めに住宅を建てたため、周りがどうなるか分かりませんでした。
要するにお隣さんの住宅の大きさが高い場合、太陽の向きによっては屋根に一部陰できる可能性がありました。
設計士さんは窓からの採光のことを考えた間取りを提案してくれましたが、お隣のお家が建つことを考えた屋根の採光は難しいのではないでしょうか。
他の区画が更地状態の土地に初めに住宅を建てるという面についてはメリット・デメリットが存在していて、それらをまとめた記事があります。
土地探しをしている方・またまだ入居していない同じ境遇の方はぜひ参考にどうぞ。
▼分譲地に初めに住宅を建てる方に知っておいて欲しいメリット・デメリットの記事はこちら。
こちらもわが家の住宅購入時の環境から、確実性に欠けるため太陽光発電を設置しなかった理由でした。
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理由⑤ 太陽光パネル国内メーカーの衰退
太陽光発電は2011年に発生した東日本大震災の影響で原子力発電の稼働が停止していき、住宅で自家発電ができるということで注目が集まりました。
その当時は太陽光パネルの国内シェアは
と国内メーカーがほとんどを占めていました。
外国メーカーが国内シェアを占めている状態
住宅を購入する際は、引き渡し後から各年おきに点検・修理をしてくれるサービスも気になったと思います。
自分の住宅を建ててくれた会社が点検・修理をしてくれるというのは安心ですよね。
テレビでCMなどが流れている大手住宅会社の倒産リスクは、地方の住宅会社や工務店に比べ可能性が少ないため安心材料の1つです。
しかし、国が住宅の太陽光発電に注視している一方で住宅同様に長年使い続けていくであろう太陽光発電の国内メーカーが衰退していっています。
倒産した場合、今後の点検・修理などのサービスがどうなるか
なにかあった時に連絡が付かず、対処に困るということが起こるかもしれません。
数百万円をかけて太陽光発電を設置してしまえば終わり。という訳ではなく、のちのサービス面が気になったので設置はしませんでした。
理由⑥ 屋根のメンテナンスと太陽光パネルの関係
太陽光パネルの下には屋根がありますよね。
太陽光パネルを設置した屋根にはメリット・デメリットがあります。
デメリットが将来のメンテナンスに関わることが多い気がします。
太陽光パネルを設置しなければ、
など太陽の日差しが原因でのメンテナンスを気にしておけばいいのですが、
太陽光パネルが乗っている部分と乗っていない部分の2つのメンテナンス原因ができる
要するに”メンテナンス回数が上がる可能性がある”という疑問が出てきたので太陽光発電を採用しませんでした。
太陽光発電を採用する大きなメリットは”電気を使用できる””売電出来て収益になる”ですが、便利な分メンテナンスが増えては元も子もないです。
わが家はローコスト住宅で“良くも悪くもシンプル”で「必要最低限の住宅設備しか設置していないので将来のメンテナンス費用も抑えられるのでは?」と考えています。
▼ローコスト住宅でも満足できる人の特徴についてまとめた記事はこちら。
そして、屋根は日常生活で状態を確認することがほぼ出来ないため、雨漏りなどは気付いた時にはもう遅いので行動が後手になります。
メンテナンスリスクが上がるというデメリットは将来の心配事を増やす要因なので太陽光発電の採用はしませんでした。
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理由⑦ 設置して要らなかった場合の後処理(廃棄)は?
太陽光パネルを撤去する要因には
が考えられます。
では、太陽光発電を辞めたい・太陽光パネルを撤去したいとなった場合、費用はどうなるのでしょうか?
一般ごみや家具・家電を廃棄してくれる業者さんは引き取ってくれません。
一般ごみや家具・家電(リサイクル料が必要なものは除く)の場合、自治体で決まった場所に持っていく・施設に持ち込むことで無料で引き取ってくれます。
「産業廃棄物(産廃)」のあつかいになるため、カンタンに捨てられない。
※台風等での落下の場合、一般廃棄物扱いになりますがゴミ収集場所に捨てても引き取ってくれないため、住んでいる市区町村の窓口に連絡が必要。
わが家はすでに自宅の庭にDIYで人工芝を設置する時に「砂・石」などを産業廃棄物として廃棄しましたが、余計なお金がかかって後悔しました。
人工芝DIYで注意したいポイントをまとめた記事はこちら>>>
この時に先のことを考えて今を行動する大切さを改めて痛感しました。
そして、太陽光発電が普及しだしたのが10年前くらいからであるため、
と予想されています。
環境に優しいとされている太陽光発電の普及と共に増える産業廃棄物ということに矛盾を感じません?
将来的に増えるであろう廃棄物に対して、廃棄費用がどうなっていくのかということも疑問です。
簡単に廃棄できるものではなく、廃棄費用も上がっていく傾向にもしなれば太陽光発電の最大の”電気代が節約できる”というメリットが相殺される可能性があります。
理由⑧ なぜ、太陽光発電の訪問販売が来る?
この項目については新築住宅に入居しだしてからの内容になるのですが、ちょこちょこ太陽光発電の訪問販売が来ます。
これ、率直な疑問なんですが、そもそも売れてるんだったら訪問販売の必要ってありませんよね?
家電とかiPhoneはわざわざ訪問販売しなくても購入しますよね。
今では住宅購入の時にセットで販売されることが多い太陽光発電なのに個人のお宅に来て営業するのは不思議です。
しかもほとんどの会社が
など営業トークが同じです。
新築購入段階で太陽光発電を設置していないので、訪問販売で相手に購入してもらうのはハードルが上がっている気がします。
また、少し気になる対応をしてくる営業の方もチラホラいました。
など少し配慮に欠ける対応をする方がいるため、訪問販売というものに抵抗を感じるようになりました。
僕の主観がおおいに入った内容の項目になりましたが、太陽光発電を購入するのであれば住宅を購入した住宅会社に相談します。
【まとめ】賛否両論の太陽光発電。意見が分かれる設備であるため購入時は慎重に。
では、今回の記事で解説した内容をもう一度おさらいします。
性能が上がって、日本にも適した設備になってくると購入を検討しようかなという感じです。
太陽光発電の“電気を自宅で使える””売電できる”というメリットに対して
など設置後の気になる点が多いというのが我が家で設置をしなかった理由でした。
また、ネットやSNSでもここ数年でのメリットを上げている方は多いですが、普及しだしたのが10年くらい前からとはいえ長く使用しての結果を公開されている方が少ないです。
将来的にはプラスになるという今の太陽光発電の販売手法ですが、
答え合わせの結果は将来分かるので、その結果を見て検討します。
電気を使用する未来は変わらないと思うので、将来、本当にプラスになると確信できれば太陽光発電の導入をします。
それまでは家電などでも省エネ性能のものが出ているのでそちらで対応していきます。
わが家では電気代・コスパを考えた家電・家具を購入していますので参考にどうぞ。
この記事を最後までご覧いただきありがとうございました。
「和太の暮らし通信簿」ではその他、住宅に関すること・貯金をするテクニックについてまとめた記事が多数ありますのでゆっくり遊んで行ってください。
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